一年程前から、実兄(長男)の高圧的態度に堪忍ならず口も聞かない状態だった。この間、元気で介護もいらない親父が検査に行って余命ひと月宣言され何も出来ないまま送ったりの最悪の一年を過ごした。
実兄は、口を出すだけで何もしなかった。ただ親戚には喪主ヅラしていた。
葬式の後、親父の骨壷を車に乗せたまま東京から入院以来初めて訪ねてきた家族とそのまま焼肉を食いに行ったことも儂の気に触れている。

儂はと言えば、心筋梗塞で倒れ腹部大動脈瘤と同時に手術するという生命の危機に至り人生どん底を体験した。
実兄は、テメエの手術の時は散々儂を顎で使っていて、一度も儂の病院に来る気もなかった。まぁ儂は拒むがね。

親父が亡くなる前、儂は職業訓練給付金なるものを受給しながら技術を学べる学校へ通っていた。そして、残りひと月で最後の給付金をもらいそのまま就職という手はずであった。訓練終了を目前の日曜の朝、テレビを見ていたら胃が痛むような感覚がして、痛み止めを飲むもののいっこうに痛みが治まらない。当番医へ駆け込むと腸閉塞と診断されそのまま二週間入院することとなった。

職業訓練給付金は、ひと月の訓練期間のうち2割休むとそのまま対校処分となりその月の手当ても止まってしまう。
実際参った。
この給付金が貰えず、仕事も決まっていない状態でうまくいっても3ヶ月の間、無収入になるわけや。。。

入院中に、決まっていた面接も受けられなくなり再出発のリズムがいっぺんに狂ってしまった。

そんな中、実兄が儂の住む実家に転がり込んでくることになった。

仲が悪いことは置いておいても、同じ屋根の下でいがみ合って、それぞれに好きに暮らせばいいようなものであるが、この実兄は10年程前に破傷風で下半身に障害が残り身体障害者となったのだ。このあたりの事情や関係悪化の理由を書き出すとかなりの長文になってしまうし散々儂の身体全体が何度も沸騰していて面倒臭いので割愛する。

とにもかくにも、実家に住むと言い出したわけだ。儂は口も聞きたくない程関係は悪化しているため出ていく他に選択肢は残っていなかった。

数日前から、キャリーバックに必要最低限の物を詰め込み出て行く準備をした。
最初は海外旅行用の大きなキャリーバックにあれこれ詰め込んだ。
ふと、この荷物を持ち歩くわけにはいかないと思い、2、3泊用の小さなキャリーバックに変更して、荷物をかなり減らした。

この荷物をどこに置いておくか・・・。トランクルームを調べたが、そこそこ初期費用がかかる。コインロッカーを調べてもピンとこない。小さいキャリーバックでも1日400円かかる。この出費は痛い。
節約のためゴロゴロと帯同すればいいが、かなりの確率でこのキャリーバックは壊れるだろう。そうなればこれは単にクソ重い箱と化す。選択肢は、スポーツバックに行き着いた。

同時に、雨風しのぐ場所を考えいろいろと下調べをした。

普通に思い浮かぶのが漫画喫茶・ネットカフェだろう。これがなかなか高い。

仕事をしていて、遊びと考えれば十分に安いのだが、ここをベースに暮らすと考えると手持ちの資金が心もとない。

1.サウナ/1,800円/回数券@1,440円/20時間
2.ネットカフェA/1,890円/12時間
3.スーパー銭湯/2,200円/12時間
4.ネットカフェB/2,370円/12時間
5.ネットカフェC/2,700円/12時間
サウナ以外は週末は料金がアップする。
回数券を買うと断然サウナが一番安く、時間にも余裕がある。ネットカフェの12時間の制限時間を気にして入店しなくてよい。
サウナには小洒落た設備や朝食サービス、フリードリンクなど気の利いサービスはないが、wifiもあり人工温泉(笑)入り放題、カミソリやシャンプーなど一式揃っている。慣れれば最適だ。
実は、このサウナは儂が若い頃しばらくアルバイトしていたこともあり初見さんとしての緊張感がない。試しに初日に利用してみよう。